ニキビ跡の治療は皮膚科でできる?種類別の治療法を医師が解説

現役医師監修
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ニキビ跡の治療は皮膚科でできる?種類別の治療法を医師が解説

「ニキビは治ったはずなのに、跡だけが残ってしまった」——そのような悩みは、ニキビ経験者の多くが一度は感じることです。

ニキビ跡には赤み・色素沈着・クレーター(凹凸)という異なる状態があり、それぞれに適した治療は異なります。「皮膚科に行けばなんとかなる?」「美容皮膚科でないと無理なの?」という疑問も、タイプによって答えが変わります。

この記事では、美容クリニックでの実務経験を持つ医師の立場から、ニキビ跡の種類ごとの治療選択肢と、皮膚科・美容皮膚科それぞれで受けられる処置の実態を整理します。読み終えたときに「自分のニキビ跡はこのタイプで、こういう選択肢がある」と道筋が見えることを目的としています。


この記事の信頼性について

監修: 現役医師(美容クリニックでの実務経験あり) 本記事は、医療側の視点からニキビ跡治療の実態を整理したものです。効果には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。最終的な適応の判断は、必ず診察を受けたうえで医師にご相談ください。


まず知っておきたい:ニキビ跡は「3つのタイプ」に分かれる

ニキビ跡をひとまとめに捉えてしまうと、治療の選択を誤りやすくなります。状態によって、肌で何が起きているかが根本的に違うからです。

タイプ1:赤み(炎症後紅斑)

ニキビの炎症が治まったあとも、毛細血管が拡張した状態が続くことで肌が赤く見える状態です。紫外線や摩擦で悪化しやすく、日焼け止めと刺激を避けるスキンケアが基本になります。多くの場合、数か月単位で自然に薄くなる傾向がありますが、なかなか改善しない場合は治療の対象になります。

タイプ2:色素沈着(炎症後色素沈着)

炎症によってメラニン色素が過剰に産生され、茶色や黒っぽい色として残るタイプです。紫外線を浴びると定着しやすくなるため、日焼け止めの徹底が大前提になります。ケアの方向性は「メラニンの産生を抑える」「既存の色素を排出・分解する」の2軸です。

タイプ3:クレーター(萎縮性瘢痕)

皮膚の深い層まで炎症が及び、コラーゲン組織が破壊されることで生じる凹みです。「アイスピック型(深くて細い)」「ボックス型(輪郭がはっきりした平底)」「ローリング型(なだらかな波状)」などに細分化されます。3タイプの中で治療が最も難しく、自然に戻ることは基本的に期待できません。


皮膚科(保険診療)でできること

保険診療の皮膚科では、ニキビ跡そのものへのアプローチよりも、ニキビの再発を防いで跡を増やさないことが主な目的になります。

保険適用の外用薬

アダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル(ベピオ)などの外用薬は保険適用で処方可能です。これらは活動中のニキビへの治療薬であり、すでに生じたニキビ跡への効果は限定的ですが、新たなニキビ・ニキビ跡をつくらないための土台として重要です。

トラネキサム酸・ビタミンC(内服)

保険外となる場合もありますが、トラネキサム酸やビタミンCの内服が、色素沈着タイプに対して処方されることがあります。これらは医師の判断のもとで使用されるもので、承認された効能・効果については処方医にご確認ください。効果の出方には個人差があります。

保険診療の限界

保険診療は「治療に必要な最低限のアプローチ」を提供する場です。クレーター(凹み)の改善や、色素沈着・赤みの積極的な治療には、美容皮膚科の自由診療が選択肢になります。


美容皮膚科(自由診療)でできること

自由診療は保険が使えないぶん費用がかかりますが、ニキビ跡に特化した機器・施術を組み合わせて使える点が大きな違いです。以下に代表的な選択肢を整理します。

ケミカルピーリング

グリコール酸・サリチル酸などの酸を肌に塗布し、古い角質を除去する施術です。ターンオーバーを促進することで、色素沈着の改善が期待できます。比較的ダウンタイムが少なく、複数回にわたって行う施術です。赤みのある新しいニキビ跡に適しやすい一方、クレーターへの効果は限られます。

ダーマペン

極細の針を肌に刺して微細な傷をつくり、コラーゲンの再生を促す施術です。クレーターの改善に使われることが多く、成長因子や薬剤(ヴェルベットスキンなど)と組み合わせるケースもあります。施術後は赤みや腫れが数日続く傾向があり、複数回の施術が必要になります。

フラクショナルレーザー(フラクセル等)

皮膚に格子状の微細な熱傷をつくり、コラーゲン産生を促すことでクレーターの改善が期待できるとされる施術です(効果には個人差があります)。ダーマペンより深い層への働きかけが可能で、重度のクレーターに向いているとされます。ダウンタイム(赤み・かさぶた)は比較的長く、1週間前後になることもあります。

Qスイッチレーザー・IPL(フォトフェイシャル等)

色素沈着や赤みに対してレーザー・光エネルギーを照射し、メラニンや拡張した血管に働きかける施術です。タイプや使用機器によって適応が異なるため、カウンセリングで医師が判断します。

ヒアルロン酸注入(フィラー)

深くて広がりのあるクレーターに、ヒアルロン酸を注入して物理的に持ち上げる方法です。即効性がある一方、効果は永続しないため一定期間ごとの追加施術が必要になります。


症状タイプ別 治療法まとめ表

ニキビ跡のタイプ皮膚科(保険)でできること美容皮膚科(自由診療)の選択肢
赤み(炎症後紅斑)外用薬・生活指導・紫外線対策IPL・ケミカルピーリング・Vビームレーザー
色素沈着トラネキサム酸・ビタミンC内服、外用薬ケミカルピーリング・Qスイッチレーザー・IPL
クレーター(凹み)基本的に保険での積極的治療は難しいダーマペン・フラクショナルレーザー・ヒアルロン酸注入

費用・回数・ダウンタイムの目安

費用はクリニックや機器・使用薬剤によって大きく異なります。以下はおおよその目安であり、実際の費用は必ずカウンセリングで確認してください。

施術1回あたり費用の目安必要な回数の目安ダウンタイムの目安
ケミカルピーリング5,000〜15,000円5〜10回ほぼなし〜数日の乾燥
ダーマペン15,000〜30,000円4〜6回数日の赤み・腫れ
フラクショナルレーザー20,000〜50,000円3〜6回3〜7日の赤み・かさぶた
IPL(フォトフェイシャル等)10,000〜25,000円5〜10回ほぼなし〜数日の赤み
Qスイッチレーザー10,000〜20,000円3〜8回数日の赤み・かさぶた
ヒアルロン酸注入30,000〜80,000円1〜2回(定期的な追加あり)数日の腫れ・内出血

いずれの施術も、紫外線ケア・スキンケアの継続が効果を左右します。施術後の適切なアフターケアが伴ってはじめて、期待できる効果に近づきます。


受診を検討するときに確認しておきたいこと

ニキビ跡の治療は複数回通うことが前提になります。焦って選ぶより、以下の観点を確認してから判断することをおすすめします。

1. カウンセリングで医師が診るか 看護師や施術スタッフだけの説明ではなく、医師が直接肌の状態を診て治療計画を立てているかどうかを確認しましょう。

2. 施術のリスク・副作用の説明があるか 「副作用はほぼありません」「絶対に改善します」のような断定的な説明には注意が必要です。医療行為にはリスクが伴うことを丁寧に説明してくれるクリニックの方が、信頼性は高いと考えられます。

3. 通いやすさ 複数回通う前提で、立地・予約の取りやすさ・営業時間を確認しましょう。途中で通えなくなると、効果が中途半端になりやすいです。

4. 総費用を事前に確認する 「1回○○円」の表示だけで選ばず、必要な回数の目安も含めた総費用を事前に書面で確認することが大切です。


まとめ

ニキビ跡の治療は、タイプによってアプローチがまったく異なります。

  • 赤み → 時間経過+紫外線ケア、必要に応じてIPLやレーザー
  • 色素沈着 → メラニンへの内服・外用、ピーリング・レーザーの選択
  • クレーター → ダーマペン・フラクショナルレーザー・フィラーなど、美容皮膚科での専門的な施術

皮膚科の保険診療は「ニキビをこれ以上増やさないための治療」として重要であり、ニキビ跡そのものへの積極的なアプローチは美容皮膚科の自由診療が中心になります。どちらが正解ではなく、自分のニキビ跡のタイプと状態に合わせて選ぶことが大切です。

まずは美容皮膚科のカウンセリング(多くは無料)を受けて、「自分のニキビ跡はどのタイプか」「どの治療が適しているか」を専門家に確認することを、ひとつの選択肢として検討してみてください。


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監修医師プロフィール

現役医師(美容クリニックでの実務経験あり)。臨床現場で勤務する傍ら、美容クリニックでの実務経験を持つ。本サイトでは、医療従事者の立場から、シミ・ニキビ・医療脱毛などの正しい情報を医師目線でわかりやすく発信しています。

本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。効果・リスクには個人差があり、施術の適応は必ず医師の診察のうえでご判断ください。

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